ユネスコ無形文化遺産「伝統建築工匠の技」の統括団体として、分野横断的に次の事業を行います。
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日本の伝統的な建造物に係る技術・技能の保存・活用、発展に関する事業
- 日本の伝統的な建造物に関連する技術・技能の保護措置の拡充に係る事業
- 日本の伝統的な建造物に関連する技術・技能の普及・社会的な理解を推進する事業
- 同様の目的を有する国内外の関係団体との連携・協力
- その他本会の目的を達成するために必要な事業
伝統建築工匠の技の保存・活用及び発展のための活動を行い、日本の建築物の技術・技能の向上を図るとともにその社会的な理解を増進し、技術者・技能者の誇りを高め、社会的地位の向上を図り、我が国の文化の進展に寄与します。
選定保存技術 | 概 要 |
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建造物修理 | 建造物の文化的価値を後世に引継ぐため必要な高度で専門的な知識や経験、復元のために必要な調査など建造物修理を統括する技術 |
建造物木工 | 日本の木造建造物を建てたり、修理するときに用いられる大工技術として、我が国において独自に発展し、継承されてきた伝統的技術 |
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日本に古くから伝わる檜皮や杉又は椹(さわら)の植物性材料の手割材を、細かく重ね合わせて屋根を葺く技術 |
茅葺 | 日本に古くから伝わるチガヤ、ススキ、スゲなどの茎で屋根を葺く技術 |
檜皮採取 | 屋根葺の一種である檜皮葺きに用いるため、檜皮の立木から、樹皮である檜皮をはぎ取る技術 |
屋根板製作 | 屋根葺の一種である杮葺(こけらぶき)、栩葺(とちぶき)、瓦葺下地(かわらぶきしたじ)の土井葺(どいぶき)に用いるため、椹(さわら)や杉等の木材を手作業で割り、形状を整えて屋根葺に適して板を製作する技術 |
茅採取 | 茅葺の耐久性など茅の質を確保するために不可欠な地域の地勢や植物に関する知識や習慣を踏まえて「茅」を採取する技術 |
建造物装飾 | 建造物の持つ宗教的意義や施主の思いを大きく反映するため、建造物を最後に仕上げる漆塗り、彩色、丹塗り、錺金具に分類される装飾技術 |
建造物彩色 | 建造物の宗教的意義を文様や絵画、彫刻でわかりやすく表現する技術 |
建造物漆塗 | 建造物の荘厳性を高めるため漆を塗る技術 |
屋根瓦葺(本瓦葺) | 瓦が我が国に伝来して以来受け継がれてきた、平瓦と丸瓦をつくり、組み合わせて葺き上げる技術(寺院や城郭建築をはじめとする伝統的な建造物の屋根に用いられる。) |
左官(日本壁) | 古代から継承されてきた日本独特の材料を用いて日本の木造建築物を形作るために欠かせない壁を作るための技術 |
建具製作 | 日本の木造建造物に用いられる桟唐戸(さんからど)、舞良戸(まいらど)、連子窓(れんじまど)まど、建具修理、修復、製作する伝統的技術 |
畳製作 | 稲藁を固めた畳床に、い草と麻糸で織った畳表を使用し、板入れなどの手縫い工法を活用した絹、朝、木綿などの天然素材を用いて畳縁を縫い付けた日本の伝統畳を製作する技術 |
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絵画、書籍、古文書などの保存修理を行う技術 |
日本産漆生産・精製 | 掻き鎌や掻きへらを用いて樹幹につけた傷から滲み出る生漆を採取する技術 |
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特殊な手漉きの雁皮紙(がんぴし)を複雑な工程で仕込んで箔打紙(はくうちがみ)に仕立て、この紙に金をはさんで打ち延ばし、極めて薄くしなやかな縁付金箔を製造する技術 |